[Interview] 守屋 実(FC町田ゼルビア)

― グラウンドがない時は公園まで行って、公園を走って帰ってくるだけの練習。だから条件がいいから出来るというだけのものではないと思う。やはりそこに情熱や理念がないと ―
TOKYO FOOTBALL MAGAZINE 第4回目のインタビューは、91年に東京都リーグ4部に加盟し、その後関東リーグ昇格、JFL昇格を果たし、地域と共にJリーグ入りという目標に向かって走り続けるFC町田ゼルビアの守屋 実代表です。チーム発足のきっかけ、地域とのつながり、今後のビジョンをお伺いしました。
※インタビューは2009年8月1日に行いました。
Q:まずは少年サッカーの街と言われた町田市で、FC町田ゼルビアというチームが発足したきっかけを教えてください。
「町田市が『少年サッカーの街』と言われたのは、東京の少年サッカーがまだ組織立っていない頃に町田の先生たちが中心になって、町田市で東京少年サッカー大会を開き、少年サッカーをリードしてきたからなんです。
今だったら東京全体のサッカー大会があるけど、当時はまだなかったんです。そして、その中からFC町田という小学生チームが出来ました。
当時、全国では静岡県の清水FCという市の選抜チームが活躍していました。清水市も先生たちが中心になってチームを作り、地域を盛り上げてきました。私たちもそれに追いつき追い越せをテーマにFC町田を作り、全国大会に出場し、準優勝、優勝してきました。
そして、その後FC町田の卒業生を中心にジュニアユースができ、またその卒業生を中心にユースができ、最終的に行き着くところはトップチームと。
私は町田サッカー協会の第3代理事長をさせて頂きましたが、前任の重田理事長がすごいグローバルな考えを持っていて、やっぱり『サッカーの街』というには街を代表するクラブがないといけない。トップチームを持ち、そしてその下に下部組織を持ち、ピラミッド型のクラブチームを作ろうじゃないかと呼びかけたのです。
そうして1989年にFC町田のトップチームが誕生しました。ただ、当時のトップチームにはJリーグを目指すという考えはありませんでした」
Q:そのFC町田トップチームがJリーグを目指すFC町田ゼルビアとなった経緯は?
「町田市が『少年サッカーの街』として発展してきた一方で、町田市というところはベッドタウンで市の郷土意識は少なく、自分たちの街という意識は低かった。さらに町田市では今までに36人のJリーガーを生み出してきたが、清水エスパルスや浦和レッズのように受け皿となるチームがなかった。そしてもうひとつ、91年に横浜フリューゲルスが町田市をホームタウンにしたいという話しが持ち上がり、私も関与して必死でやりましたが、当時はJリーグもバブルの時期でとても行政では支えられなくて断念しました。
その時に『Jリーグを誘致する会』というのが町田にでき、その後もJリーグチームを町田で実現させようと、私もFC東京の前身東京ガスへ行ったり、川崎フロンターレの前身の富士通の最高幹部に会い、『町田でやりませんか?』とお誘いするなど、様々な流れを模索しました。しかし、中々実現はしませんでした。
やっぱりこれは町田市が自前でJリーグチームを作っていかなくてはいけない。町田にはサッカーの歴史があるし、町田市を代表するチームを作り、もっともっと郷土意識を高めていかなくてはいけないということになりました。そしてそのチームはどこでやるんだという話しになり、FC町田トップチームが選ばれ、町田サッカー協会支援の下に『FC町田ゼルビア』としてやっていくことになりました。それがFC町田ゼルビアが誕生し、Jリーグを目指す発端です」
[プロフィール]
守屋 実(モリヤ ミノル)
73年 大学卒業後相模原市役所に勤務し、サッカー少年団「小山FC」設立。指導者となる。
その後、小山FCの中学部、町田市内の中学生選抜チームを設立し、85年にはFC町田ジュニアユースを正式発足させ代表兼監督就任。このチームからJリーガー10数名が育つ。
93年 町田サッカー協会理事長に就任
02年 FC町田ゼルビア代表兼監督就任
03年 NPO法人アスレチック町田理事長就任
04年 町田サッカー協会専務理事就任
現在は町田サッカー協会顧問
現在は町田市立小山田小学校の教諭を務めつつ、町田にプロサッカーチームを中心にした地域総合型のスポーツクラブを作る活動を続けている。
[クラブプロフィール]
FC町田ゼルビア
所属:日本フットボールリーグ(JFL)
URL:http://zelvia.jp/
チームは1989年に設立し、東京都リーグ、関東リーグを経て、2008年に日本フットボールリーグ(JFL)へ昇格。
2009年2月にはJリーグ準加盟申請が承認され、今季JFLで4位以上などJリーグ入会条件を満たせば、2010年からのJリーグ入りが実現する。
